「大丈夫かい?」

日本の子供達を受け入れた経験のある

オーストラリアやニュージーランドのホストファミリーや

私の友人達がよく言っている事があります。

 

「日本人の子供達は素直で礼儀正しいね。」と褒められるのですが

その言葉に続いてくるのが、

「でも、(滞在を)本当に楽しんでいるのかしら?」とか、

「元気が無いみたいだけど、具合が悪いのか大丈夫か、本人に聞いてくれない?」

と疑問の声が出てきます。

 

語学学校の先生から言われるのは、

「あなたはどう思う?と聞いた時の日本人の反応に困惑する。」

という事です。

 

学校の授業でも、家に帰っても、

「あなたはどう思う?」と聞かれる経験の少ない日本人。

 

おまけに、「日本の子供たちには、リアリティー(現実感)が感じられない」

というちょっと厳しい意見もありました。

 

自己表現が苦手な私達を相手に、外国人は困惑したり呆れたりしてしまいます。

但し、決して日本人を非難している訳ではありません。

 

どちらかと言うと、「大丈夫かい?」と心配や同情しているのに近いのかなと思います。

 

彼らにとって私達は、目に見えない何かに鉄の鎖みたいなものに

がんじがらめにされているように写っているのではないでしょうか?

 

滞在して間もない頃はこんな調子ですが、

ちょっと慣れてくると、段々心が解き放たれていく様子が分かります。

そうすると、ホストファミリーたちも喜んでくれます。

 

コミュニケーション力は大切だと、

こういう場面に立ち会う度に思い知らされます。

 

日本語が話せるからコミュニケーション力があるとか、

英語が話せないからコミュニケーション力がないとか、

一概には言えません。

 

自己表現をしながら相手に思いや意志を伝えていくというのは

いくら机の上で勉強しても身につける事はできません。

 

一説によると、人とのコミュニケーションをとる中での

言葉の果たす役割は、約7%程度にしか過ぎないとも言います。

 

では残りの93%は、何なのでしょうか?

 

7%の言葉にさえ頼りきれないコミュニケーションのスタートを

切るからこそ、それが見えてきます。

 

 

 

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