オーストラリア「WALKABOUT」

日本列島が22個分すっぽりと入ってしまうくらいの広さを持つオーストラリア大陸。

この広大な地に、4万年も前から受け継がれている成人の儀式があるのをご存知ですか?

 

オーストラリアに住む先住民「アボリジニ」の男の子は、

13~15歳になると「WALKABOUT(ウォークアバウト)」という放浪の旅に出掛けます。

 

ウォークアバウトには、とても深い意味があります。

 

種族と世界の起源に関わる重大な情報を知る為の旅である事。

 

人間として、大人になる条件として、

生き続けることに必要不可欠な知恵を習得する冒険の旅でもあるのです。

 

許された場所で、許された者だけが知る事のできる神秘的な習慣なのです。

 

彼らは何も持たず、たった1人で砂漠を歩きながら砂漠を旅します。

(オーストラリアの内陸部は広大な砂漠が広がっているのです。)

 

人類最古の狩猟生活をしながら、神と大地の間に存在する自分を見出した少年は

半年から1年間という一人旅を無事に終えると、

やっと一人前の大人として

再び村や家族に迎え入れられるのです。

 

 

自然と大地から得られる糧だけで、何万年も生き抜いてきたアボリジニの人々は

枯渇した水の乏しい砂漠の大地で胸を張り、誇らしげに言います。

「ここは命溢れる豊穣の大地だ!」と。

 

歩けばすぐに24時間営業のコンビニがある状況が当たり前の私達。

豊かになりすぎて、物質に対する欲求が高くなりすぎている気がします。

それは本当に心が欲しているものなのでしょうか?

 

元々、物を所有するという概念が無いアボリジニ。

何も持たずに生まれ、何も持たずに死んでいく・・・。

 

砂漠の大地で自然の恵みに感謝し、生きることの意味を見出す少年と

生命力をなくした都会で生きる文明人の少年。

 

なんだか感慨深く、考えさせられる事が多いですね。

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